冷蔵冷凍車の選び方
2024.12.24
ハイエースの冷凍車・保冷車の違いを解説
ハイエースの冷凍車・保冷車とは?
ハイエースの冷凍車・保冷車は、温度管理が必要な荷物を運搬するため、特別に加工された車両です。
これらの車両は、断熱構造の荷室とクーリングユニットと呼ばれる冷却装置を備えていて、庫内を一定の温度に保つことができます。
冷凍車は、冷凍食品などの低温輸送に適していて、最も低い温度では-20℃を維持することが可能です。一方、保冷車は、生鮮食品や冷蔵品などの輸送に適しており、0℃~10℃程度の温度帯を維持します。
ハイエースは、その積載性と走行性能から、冷凍・保冷車としてのベース車両として非常に人気があります。
様々なニーズに対応できるよう、複数のボディタイプとクーリングユニットの組み合わせが用意されていて、食品や医薬品から精密機器にいたるまで、温度変化に弱い製品の輸送に広く利用されています。
ハイエースの冷凍車と保冷車の違い【違いはクーリングユニット】
ハイエースの冷凍車と保冷車の最も大きな違いは、搭載されているクーリングユニット、つまり冷却装置の違いです。
ハイエースの冷凍車は、庫内をマイナス温度まで冷却できる強力な冷凍機を搭載しているため、冷凍食品や医薬品など、厳密な温度管理が求められる荷物の輸送に適しています。
一方、保冷車は、庫内の温度上昇を抑制する断熱性能に重点を置いており、冷却能力は冷凍車ほど高くありません。保冷車は、生鮮食品や冷蔵品など、比較的温度変化の影響を受けにくい荷物の輸送に適しています。
具体的には、冷凍車は-20℃以下の温度まで冷却できるのに対し、保冷車は断熱材で庫内を覆うことで0℃~10℃程度の温度帯を維持する設計となっています。
クーリングユニットの主な種類
ハイエースの冷凍車に搭載されるクーリングユニットは、主に低温冷凍車、中温冷凍車、クーリングバンの3種類に分けられます。これらの違いは、主に冷却能力と維持できる温度帯にあります。
低温冷凍車
低温冷凍車は、-20℃の超低温を維持できる強力な冷凍機を搭載しています。冷凍マグロやアイスクリーム、医薬品など、厳格な温度管理が求められる荷物の輸送に最適です。
高性能なコンプレッサーと断熱性の高い荷室を備えており、外気温の影響を受けにくく、長時間の輸送でも庫内温度を安定的に維持することができます。
中温冷凍車
中温冷凍車は、-5℃~5℃程度の温度帯を維持できる冷凍機を搭載しています。
生肉や魚介類、乳製品など、冷蔵保存が必要な荷物の輸送に適しています。
低温冷凍車ほどの冷却能力はありませんが、比較的幅広い荷物に対応できる汎用性の高さが特徴です。また、低温冷凍車に比べて価格が抑えられている点も特徴のひとつです。
クーリングバン
クーリングバンは、0℃~15℃程度の温度帯を維持する簡易的な保冷車です。生鮮食品や飲料など、比較的温度変化の影響を受けにくい荷物の輸送に適しています。
保冷効果能あるクーリングユニットと断熱材によって庫内の温度上昇を抑制する構造となっています。
クーリングバンは冷凍車に比べて価格が安く、燃費も良いというメリットがあります。
ハイエースの冷凍車・保冷車の基本スペックとラインナップ
ハイエースの冷凍車・保冷車は、ベースとなるハイエースの優れた走行性能と積載能力に加え、用途に合わせた最適な温度管理システムを搭載しています。
現行モデルのエンジンラインナップは、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンが用意されているほか、荷室の広さや積載量に関係する標準フロアとジャストローの2種類のフロアタイプから選択できるようになっています。
エンジンラインアップと動力性能
ハイエースの冷凍車・保冷車には、ビジネスユースに最適化されたエンジンラインナップが用意されています。
ディーゼルエンジンは、力強いトルクと優れた燃費性能が特徴で、長距離輸送や重い荷物の運搬に適しています。
特に、冷凍機を稼働させながらの走行でも、安定した動力性能を発揮します。
一方、ガソリンエンジンは、静粛性とスムーズな加速が特徴で、市街地での配送業務などに適しています。
動力性能に関しては、冷凍機を搭載しているため、ベース車と比較して燃費が悪化する傾向にありますが、最新の技術によって燃費効率の改善が進んでいます。
荷室の広さ、積載量
ハイエースの冷蔵冷凍庫の庫内サイズは、床面の高さや温度帯によって違いがあります。
積載量は、冷凍機や断熱材を搭載することで、ベース車よりも若干積載量が減少する場合があります。
現行モデルのハイエースの冷蔵冷凍車の荷室内寸法
項目 \ 車種 | 低温冷凍車 | 中温冷凍車 | クーリングバン | ||||
標準フロア | ジャストロー | 標準フロア | ジャストロー | 標準フロア | ジャストロー | ||
荷室内寸法 | 長さ | 2,450m | 2,450m | 2,770m | 2,775m | 2,770m | 2,775m |
幅 | 1,190m | 1,180m | 1,415m | 1,400m | 1,415m | 1,400m | |
高さ | 1,045m | 880m | 1,220m | 1,055m | 1,220m | 1,055m | |
床面地上高 | 745m | 910m | 695m | 860m | 860m | 695m |
その他オプション装備
ハイエースの冷凍車・保冷車には、安全性や衛生性を高めるための様々なオプション特装備が用意されています。
例えば、フロア材に錆にくく耐久性に優れたステンレス仕様が選択出来たり、底面にたまった水を排水できる水抜き穴を設置することもできるので、食品などを衛生的に運搬することができます。
また、ドア開閉時に冷気の流出を防ぐカーテンなど、温度管理を安定させたいときに役立つ装備もラインアップされています。
中古車のハイエースの冷凍車・保冷車と新車の比較
ハイエースの冷凍車・保冷車を導入する際、新車を選択する場合と中古車を選択する方法があります。
新車は最新の技術や装備が搭載されており、保証も充実しているというメリットがありますが、車両価格が高いことに加えて、納車までにかなりの時間がかかる場合があります。
一方、中古車は新車に比べて価格が安く、在庫が見つかれば比較的早く納車できるというメリットがありますが、消耗している部品を交換する必要があったり、故障が発生するリスクも、新車と比較するとやや高くなります。
どちらを選ぶかは、予算や使用目的などによっても異なりますが、今回は車選びの参考になるよう、新車と中古車のそれぞれのメリットとデメリットを詳しく解説します。
新車のハイエースの冷凍車・保冷車のメリットとデメリット
新車のハイエース冷凍車・保冷車の最大のメリットは、最新の技術と装備が搭載されていることです。燃費性能の向上、安全性能の強化、そして最新の冷凍技術などが採用されており、より効率的で安全な運用が可能です。また、メーカー保証やディーラー保証が付帯するため、故障のリスクを抑えられ、万が一の際も安心して対応できます。
さらに、新車特有の清潔さや、自分好みのオプションを選択できる点も魅力です。
一方で、新車のデメリットとしては、車両価格が高いことが挙げられます。初期費用だけでなく、登録費用や税金なども含めると中古車よりもさらに高額な費用が必要になります。
また、注文から納車までに時間がかかる場合が多いこともデメリットの一つです。特に冷凍車や保冷車は、ベース車両から特装を行う必要があるため、納期が長期化することが多く、すぐに車両が必要な場合には不向きです。
中古車のハイエースの冷凍車・保冷車のメリットとデメリット
中古車のハイエース冷凍車・保冷車の最大のメリットは、新車に比べて車両価格が安いことです。
また、在庫がある場合は、比較的納期が短くなることも大きなメリットになります。業務ですぐに車両が必要な場合では、中古車は最適な選択肢となります。
一方で、中古車にはデメリットも存在します。中古車の場合、車両の状態が一台一台異なるため、しっかりと現車のコンディションを確認する必要があります。
また、販売店によっても異なりますが、保証期間が短いケースや、そもそも保証が付いていない場合もあります。
冷凍機などの重要な装置が故障してしまう、というリスクも0ではないので、信頼できる販売店で購入し、しっかりと車両の状態を確認することが重要です。
まとめ
ハイエースの冷凍車・保冷車は、温度管理が必要な様々な荷物の輸送に最適な車両であり、冷凍食品、医薬品、精密機器など、幅広い分野で活躍しています。
信頼性の高さと合わせてハイエースというネームバリューもあって、新車はもとより中古車でも人気が高い冷凍車・保冷車の一つです。
一方で新車は非常に納期が長いことに加えて、最近ではメーカーの事情によりハイエース自体の生産が停止することもあるので、タイミングによっては新車の購入自体が難しい場合もあります。
ハイエースの冷凍車・保冷車の中古車は、人気があって高い相場を維持しているものの、新車と比較すると安い価格で在庫があれば入手しやすい点は大きなメリットと言えます。
グローバルクレスト川越では、お客様のニーズに合わせて最適なハイエースの冷凍車・保冷車をご提案しています。豊富な知識と経験に基づいたアドバイスのほか、充実したアフターサービスも提供しておりますので、お気軽にご相談ください。